この物語は光に出逢うまでとこれからの話。
(若干のフィクションものです。たぶん。)
師匠からの誘いを受け、リリースイベントに参加する事を決めた“僕”は初めての“アイドルの現場”へと行くことに・・・
集合場所は秋葉原。
秋葉原自体は行きなれている場所だった。
もともとアニメやゲームが好きだったこと。もちろん声優さんも大好きだ。
諦めかけているバンドも秋葉原で練習することが多い、勝手を知っているような街。
だからこそ、久しぶりに来る秋葉原は色んな想いもあったからなんだか複雑な気持ちで。
色んなことを考えながら茨城から2時間。
気づいたらもう着いていた。
ーーーすみません。ちょっと遅くなっちゃいました。
そう師匠に連絡を入れるとすぐに
「今○○にいるからここまで来れる?」
ーーー了解です、と。
幸い、知っている場所だったしそんなに遠くなさそうだ。
なんだかんだで師匠と会うのも1年以上経っていた。
「お待たせ〜!なんか久しぶりな感じしないね。どれくらいかな・・・」
ーーーたぶん、去年やった夏のセッションくらいですかね。
「いつもTwitterとかにいるからそんな感じしないよね〜」
なんてそんな話をしながら会場へ向かう。
「そうそう。先に今日のライブ参加のためのCD買っておいたよ。
あとこれが特典券ね。3枚分。」
ーーー特典券?なんですかそれ?
初めて聞く言葉だった。何となく予想はついたけれど。
「だいたいは1枚で全員と握手。2枚でメンバー1人とツーショットのチェキ。
3枚で全員とのチェキだよ。」
ーーーなるほど。3枚あるから全員とチェキ。もしくは握手と誰かとチェキするしかないんですね。
「そうなるね。ちょろさんは今日さきちゃんかな?」
ーーー迷っちゃいますけどさきちゃんしか知らないですからねw
会場に着くとそこそこの人がいた。
先着順にどうやら移動するようだ。
ライブ自体の会場に着くと150~200人くらいは入りそうなライブ会場。
ーーー今日って人多い方ですか?
「どうだろう、普通な方かな。そこまで多くないと思うよ。
平日だともっと少ないときもあったりするしさ。」
なるほど。そういうものなのか。
と思っていたら会場のSEが変わる。
どうやらライブが始まるようだ。
「「L!U!C!E!」」
熱気がすごい。そんなコールと共に“ルーチェ”の5人がステージに現れた。
曲が流れ始めた。
ーーーなんだこれは!
それが第一印象。
“僕”の中の“アイドルのイメージ”がいい意味で壊された。
それだけの衝撃。
歌も上手い。
ダンスもキレがあってしかも揃っている。
完成度高すぎないか。
色んなことを思いながら口から出たのは
ーーー師匠、アイドルってすごいですね・・・!
上手く表現出来る言葉が見つからなかった。
でも、ハマる理由も何となく分かった気もした。
久しぶりに感じる“楽しい”という感情。
心の底から楽しかった。
生のさきちゃんもすごいなーとか
メイド服最高かーーーと思いながら。
そんな中、一際目を引いた存在があった。
それがうさみぃこと“宇佐美幸乃”さんだった。
なぜか目が離せなかった。
自然と目で追っていた。
これが“僕”のこれからを変えるキッカケとなるなんて。
思いもしなかった。